2021年 北海道入試分析(理科)

平均点は昨年より上がって28点と予想します。
今年はコロナの関係で、出題範囲から天体が除外されていましたが、もともと2年連続で天体が出題されていたので、今年の出題の可能性は低く、理科に関してはコロナによる影響はありませんでした。
出題形式は従来どおり。□2以降の問題は実験に関するもので、今年も生物の実験で難問がありました。□4の力のつりあいの問題も、あまり解いたことがない問題なので難しく感じたでしょう。
□1は小問集合:基本的な問題ばかりです。今年も漢字指定の問題がありませんでした。ここで点数を落とさないように、用語・簡単な計算は必ずできるようにしておきたいですね。
□2 生物単元(消化)
・消化酵素に関する問題は北海道入試ではよく出題されています。
・対照実験の仕方に関する記述問題もありました。
・問2の(2)は実験を整理する力、実験が異なる原因を調べるために、どのように条件を変えた実験をすべきか、を読み取らないといけません。正直、私は間違えました。この問題は後回しにすべき問題です。ここで時間を取られると、□3以降の簡単な問題を解く時間がなくなります。こんな難問を□2に持ってくるのがいやらしい。
□3 化学単元(イオンの中和)
・中和滴定の問題なのですが、中学校の定期試験レベルでは、ここまで数字にこだわった出題はないので、難問に見えるでしょう。定期試験レベルの勉強をしているだけでは入試問題は解けないということです。
・塩化バリウムの化学式も、教科書には載っていません。しかし、アルカリの陽イオンと酸の陰イオンが結びついて塩になるという基本がわかっていれば、できるはずです。
□4 物理単元(圧力、力のつり合い)
問1は密度(化学単元)の計算問題でした。0.6÷500の計算が正しくできたでしょうか?
問2(1)面積と圧力は反比例と覚えている人はひっかかる問題です。この実験は圧力と面積の関係ではないのです。面積が大きいほど大気圧によって加わる力が大きいと判断するか、実験結果から読み取れば正解を導くことができます。
問2(3)の力のつり合いの問題は、4つの力のつり合いなので解いたことがない人も多かったと思います。
□5 地学単元(地震)
得点源の問題でした。□1の問題を解いたあとは、この□5から解くべきです。定番のS波の速さが4㎞/s、グラフから地震発生時刻を求める、震度とマグニチュードの違いを書かせる記述、そして数年前に出題された緊急地震速報の問題でした。

●記述問題 9点分。
 対照実験の仕方を答えさせるもの(難)
 電流が流れない理由を答えさせるもの(易)
 震度とマグニチュードの違いを答えさせるもの(易)

●完全解答 16点分
 いつもより配点が低いです。
 本来であれば完全解答なのに、分けて平均点を上げるように
 操作しているな、と思うような問題もありました。

●計算問題 9点分
 銅に結びつく酸素を求める問題(易)
 気体の密度を求める問題(間違える人が多いはず)
 吸盤にかかる力を求める問題(難)
 S波の速さを求める問題(易)
 緊急地震速報が来るまでの時間を求める問題(普通)

難問と平易な問題の差が大きい。
平易な問題で失点しないように基礎固めを重点的に行うこと。
難問は難しすぎて、トップレベルの高校でも解けない問題なので、捨てる勇気を持つことが大事。

受験生のみなさま、お疲れさまでした。